93 「共通の敵」をどのような切り口で設定するか

93 「共通の敵」をどのような切り口で設定するか

合意形成において、方向性を相手と合わせることが重要となります。
強い共通の敵が存在すると、お互いの方向性を同じ方向に引き寄せやすくなります。

アニメ『ドラえもん』を思い出していましょう。
テレビでは、のび太とジャイアンは方向性が合わず、いつもぶつかります。
ジャイアンは、退屈しのぎをしたいという利害を持っており、のび太はジャイアンの利害に巻き込まれてドラえもんに助けを求めます。

一方、映画になると、地球の平和を脅かす共通の敵が現れ、のび太とジャイアンの方向性は一致します。
ジャイアンは大冒険ができるようになり、退屈をしませんし、のび太は優しさで地球の平和に向かいます。
ドラえもんの秘密の道具も、共通の目的のために使われるようになる、というわけです。

このように、「共通の敵」をどのような切り口で設定するかによって、利害のベクトルを合わせることが可能になり、合意形成に向かって前進するのです。